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リスティング・ディスプレイ広告について

service リスティング・ディスプレイ広告について
最終更新日: 2024年4月3日

数多の広告というものについてTVも凋落一途、ネット以外は年々広告予算が減っている昨今、所謂WEB広告代行会社は数多いが依頼したことによる使用感と自前でやることの意義について。
リスティング・ディスプレイ広告について

【実体験】某代行企業による悪夢

代行企業による代行は以前WEBマスターをしていた会社にて、代表(社長)が勝手に契約をしたことで発生した。
仮にB社とするが、契約概要は次の通り。

  • 一年契約で翌年延長するかどうかは年次契約終了期限までに決める。中途解約不可。
  • 月間費プラン用数通り(10万単位)から、依頼内容に応じ費用プランを選ぶ。ちなみに選択したのはGoogleリスティングとFacebook広告のB社概算により20万/月のプラン。
  • 前払いで月ごと20万円をポイントに置換し、各依頼内容に応じポイントが減る仕組み。1円=1ポイントではない(レートは失念したが、そのままでは20万円という意識は薄れる)。月のポイント(20万円相当というかそのままでは・・・)は消費しなければ持ち越しなし(法に触れてないか?)。
  • 依頼内容は前述通りGoogleリスティングとFacebook広告。ポイント消費のために他の仕事を依頼するのはあり。アカウント作成したらGoogleAds・GoogleAdwords・Facebookの各アカウント情報を渡させられた。
  • 広告作成に伴い、特にFacebookだがB社作成コンテンツを当方が転用するのは可能。画像・写真など含め著作権は当社に帰属(だったかな)、兎に角当社であれば無断だろうがどこだろうが使用してよし(そもそも大したコンテンツではないけど)。

こんな契約概要。
当時(2018年か2019年だった)円をポイント換算することで詐欺の匂いを感じたし、Adsは解るがAdwordsアカウントまで寄越せと言ってきた時点で契約各社のAdsとAdwordsアカウントを本社支店に海外支社で使いまわし自演のクリックをするのではとも疑った。
上長にその旨を伝えたところ、WEBマスターをしていた当方が監視をとなった。
端から「詐欺」と思っていたのでコンバージョンを増やせば何でもOKくらいの要望を出した。出稿はGoogleリスティング(課金余りでデイスプレイ表示されたりもする設定)とFacebook広告とFacebookへのコンテンツ出稿。
3か月様子を見たが、2000アクセス/月程度アクセスは増えた。
最初は広告にパラメーターをつけておらず(この辺も悪意を感じる)パフォーマンス監視が儘ならなかったが即パラメーターを付けるよう指示した。
コンバージョンは3か月で1件、平均滞在時間は14秒。オーガニックでのCVは月間平均4~6件、平均滞在時間は2分程度。耐久消費財で建設関係、単価も大きくなれば一千万を超えるものだからコンバージョンがあれば1情報単価(広告費総額に対する単価)が数万でもOKだが、月20万を消費し2000からアクセスが増えてコンバージョンは電話での内容不明なもの1件では溝に金を捨てているに等しかった。
4か月目に入ると上長と話をして、「3か月分のデータを纏める」「データに基づいて如何に効果が無いかをレポート」しそれを以て上長が中途解約さえる話をすることとなった。
契約時「ではこちらで預かり社内検討をします」と話の腰を折らせて担当営業を帰らせようとしたが独断で契約までした代表だが、万年自転車操業で年間売り上げの4割相当もの借金があるからか、こうした効果が無いものを止めることにはあっさり同意した。
昵懇にしていたメーカからの紹介というB社だが、逆にメーカー紹介という政治的な部分もあり”今回の内容などを口外しない”ことを条件として半年での解約が成った。

ポイント
代表の独断だが、昵懇にしているメーカーの紹介ということで頭から信じた。他者の話を聞かず、それが何なのか理解が及ばないのに契約を決めた。円をレートの変わるポイントにするやり方は詐欺的で、そこを一切疑わなかった。
中小零細に有り勝ちなトップの独断専行で、もちろんコンバージョン数以外のことは気にならないし理解が及ばないし理解しようともしない。これも有り勝ちだが社内の声より外の声を重用する一種の偏見も独断専行に走った所以。

本件はやり方があまりにも悪く(詐欺的だしポイントの持ち越し不可というのも酷い話)、「クリックも自作自演にしか見えないが?」と問うても黙秘し反論すらしてこなかった。紹介してきたメーカーへ何か言われるのを避けるために特例として、政治的に中途解約ができたのではないかと思う。

【過去歴解析】某代行企業による桁違いの情報単価

前述した会社の次にWEBマスターをした会社でのこと。
サイトの制作・運用が業務だったが、入社前に外注したサイトのパフォーマンスが悪いのでリスティングをとの指示が代表から出た。
外注したというサイトはWordpress+その制作会社オリジナルのテーマによるものだが、titleとdescriptionタグがすべて「サイトのタイトル」になるという酷い有様で、Googleのアルゴリズムがいかようになろうともtitleが全頁同一などあり得ない話であり、当時まだtitleとdescriptionはSEO上影響のあるころであるから未完成なのに検収を出したとしか見えないものだった。
制作の傍らこの外注による既存サイトのSEOも行い、徐々にパフォーマンスアップしコンバージョンも増えてきたのだが、そんな頃にリスティングをとの指示だった。
怪訝に思ったのか上長が2年前に外注した際の報告書なるエクセルデータをくれた。
内容はGoogleリスティングとYahooリスティングとYahooディスプレイ。
月次費用はそれぞれ20・10・10(万単位)。表示回数(インプレッション数)月間数万、広告クリック率は検索広告でも0.1%台、ディスプレイ広告は0.02~0.06%。コンバージョンはディスプレイからは1年間やって皆無、検索広告で年間20件で年間の広告費用(外注先への手間賃はクリック単価に入っているのか、別途支払いなのかは不明)を情報数で割ると1情報20万円。
これはその報告書に「費用転嫁」とかいう項目で書いてあったのだが、こちらも業態は耐久消費財で建築系、数万から時に数百万の契約になり粗利率も50%以上の業態とはいえコンバージョンの中には「資料請求」などもあり20件全部成約になろうはずもない。
この400万を稼ぐには件の広告からどれだけの売り上げが必要かまた、平均単価や成約率から見るとどれだけの情報数が必要かも見えてくるが、そうしたコンバージョン/情報分析をやってこなかったのだろう。

出稿内容は素人レベル
その広告の出稿内容は着地のURLに対しキーワードの要望を聞くものだが、例えば広告設定においてはURLを入力するとキーワード候補が出るがほぼそのまま、例えば同業他社の社名なども入る数が多いもので一部フレーズ一致や完全一致とカスタムされてはいても顕在はもちろん潜在顧客を超えて無駄に検索結果表示させるものだった。
もちろん、往時のWEB出稿戦略など判らぬが、同業に被せて認知などを高めるものではなくコンバージョン重視だったのは想像に難くない。

広告出稿のみの代行なら逃げ道はある
流入を増やせば潜在顧客にまで認知させたり掘り起こしも可能などと言ってそうだが、こうしたライト層というか後学のためとかいったユーザーは大概顧客になり得ない。
クリックによる流入だけ増やせば格好は付くが、コンバージョンに結び付かない理由はサイトや商品が良くない、競合と比べて高いなど言い訳はいくらでもできるしそれをネタにサイト制作やリニュアルなどの営業もできる。
着地やサイトを見たうえでもコンバージョンがいくつ増えるかというより、現状のコンバージョン数がこうで流入が想定このくらい増えれば現状比率に応じてなどと営業してくることが少なくない。
ただここで重要なのは、流入が足りないと思われるサイトを見て顧客になり得る人はそれなりに検索などをして辿り着いているのであって、安易に広告でポンと入ってくるユーザーとは欲している重さが違う。
ましておや無駄に多いキーワードからの流入では、コンバージョン数・CVR・セッション時のページビュー数・リピート率・セッション時の滞在時間など各パフォーマンスが下がることになるのは自明です。
それらを踏まえたうえでまた想定問答も出来上がっているうえで代行の営業をしてくることが多いのではないでしょうか。

WEBの知識はは無くても販促・広告効果を計る目安を知る
多くの場合素人相手の楽な営業程度でこうした売り込みをしてくるでしょう。
出稿のためのロジックも解りにくいものですが、各種広告効果を計るために日ごろから媒体毎の成約率・平均成約単価など各種情報を抽出しておくことで、不明な世界から出てくる数字にも対処がしやすくなります。
WEBからの情報では成約率・平均単価などがどの程度か知っておくと、こうしたWEB広告を外注依頼する際の必要情報数や費用上限などが算出しやすくなります。
また各媒体について行う事で販促・広告などの効率化も行う事ができるようになります。

リスティング広告などを自前で行う際の留意点(BtoCの場合)

WEBマスターなるものをやって会社を見ていると感じるのは、業界の常識は世間の非常識です。
もしこれを読んでいる貴殿が業過通というなら尚更で、顧客となるのは業界外に方の方が圧倒的に多くなります。
そのうえで定量的なものを基にマーケット・オーディエンスを分析します。業態にもよりますが多様性が進んだ今日ではペルソナを決める必要はありません。決めたところで顧客の一例程度にしかならないのでもう少し俯瞰して考えましょう。
実務的にはこれは先の文中にあるキーワードを広げ過ぎないこともそうですが、マーケットと文字通り(購買につながる)キーワードを見極めることです。
あくまでも着地ページが悪くないまた広告内容も悪くないという前提ですが、広告を誰に見せるか、見るユーザーはいるのかといったことが重要になります。
出稿にあたってはユーザー目線でのキーワードを決めまた絞り込みます。出稿設定を行っているとURLを入力しキーワード候補を出させることができますが、候補の多くは顧客となり得ないキーワードが多いことが少なくありません。
例えばオーガニック流入でのキーワードやコンバージョンに結び付いたオーガニック検索キーワードなどはGoogleAnalyticsなどで検証可能です。
こうした機能を活かしキーワード/オーディエンスや出稿地域の絞り込みを行うことで、CTR(広告のクリック率)、CV(コンバージョン)・CVR(コンバージョン率)を上げた効率的な広告運用が可能となります。

リスティング・ディスプレイ広告について

ディスプレイ広告での留意点

リスティング広告とディスプレイ広告の最大の違いは前者が検索の際に表示されること、後者は広告掲載をするサイト・ページの広告枠にテキスト・画像・動画を当て嵌めて表示することです。
リスティングの場合は前述していますが検索キーワードでターゲティング/絞り込みを行います。
ディスプレイ広告はリマーケティング・リターゲティング、GoogleやYahooなど広告配信をするデベロッパーが持つユーザーデータ、嗜好・閲覧履歴等々に合わせて配信します。
リスティングもそうですが、(費用設定に左右もされますが)絞り込みをしないと表示がかなり多くなります。何より、総じてクリック=着地後のパフォーマンスが良くありません。LPに合わせたコンテンツ配信をすることでそうした齟齬を減らせますが、広告に使う画像に特に良いものを選ぶとニーズの浅いユーザーにもクリックされ課金が減るばかりという事にもつながります。
CVよりも認知をという目的だとしても、LPに到達して極短時間で直帰する場合はほぼ認知にも繋がりません。
イメージ的に良い画像と商品・サービスを適切に伝える画像とは似て非なるものです、その視覚から入るものの取捨は適切にすることが費用対効果を高めることになります。
クリック・流入が増えたことでへなく、その先のパフォーマンスやCVなどに着目して出稿・運営を行いましょう。

出稿にあたって重要なこと

これは内製・外注どちらでも言えることです。

  • 目的を決める。顧客の獲得か認知を高めるのかなど広告出稿の目的をはっきり決めます。先述していますが同業他社の社名をキーワードにするなど敢えて被せて認知を高めたり顧客を奪う手法もあります。認知という意味では検索広告よりもディスプレイ広告で視覚に訴える方が効果があるかもしれません、数をばらまくという意味では業界大手などが行う手法です。
  • マーケットを把握する。把握するための手法はいくつもありますが、最低限定性的なマーケット設定ではなく定量的な数値等に基づく設定が必要です。この数値ですが販促上の各媒体でのパフォーマンスを事前に詳細に集計する必要があります、これには架電による顧客からのアクセスも含みます。スマホの時代、タップしてサイトから架電は当たり前ですが、販促費用の費用対効果を把握する意味でも重要です。ここを諦めるのなら広告することを諦めましょう。
  • 顧客を把握する。前述したペルソナをしないということに反するものではありません、無駄に絞る意味がないだけで性別・年齢から嗜好など、全体像として把握し出稿対象として設定するうえで重要になります。
  • 捨てることを恐れない。地域や顧客属性をすべて取り入れようとすると逆に大雑把で非効率な広告になります。費用や人手といった原資を選択したものへ集中的に使うことで効率的で管理のしやすい広告となります。