Steamer Lane StudioSERVICE

Movable Typeによるサイト制作

service Movable Typeによるサイト制作 最終更新日: 2025年7月9日

静的CMSの代表格「Movable Type」とは?~企業・団体で選ばれる理由と導入メリット~

Movable Typeによるサイト制作ホームページ制作やリニューアルを検討する中で、「WordPressはよく聞くけど、Movable Type(ムーバブルタイプ)って何?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。
Movable Type(以下MT)は、日本国内で長年使われている国産CMSの代表格です。特に、安定性・表示速度・保守性を重視する企業・団体から高く評価されています。

■ Movable Typeとは?

Movable Typeは、日本のシックス・アパート社が開発・販売しているCMS(コンテンツ管理システム)で、初期はブログツール=ブログエンジンとして登場しましたが、現在では企業サイトや官公庁、教育機関などの中・大規模サイトでも多数導入されているCMSとしての開発をされています。
MT最大の特徴は、ページを動的に生成せず、「静的なHTMLファイル」を出力する仕組みです。これにより、表示速度の安定性・セキュリティ・サーバー負荷の低減など、商用利用に求められる多くの要件を満たしています。

■ Movable Typeの主なメリット

1. 静的出力による表示の速さと安定性

MTはページごとにHTMLファイルを生成して公開します。これはユーザーによるアクセス時にサーバーに負荷をかけず、アクセスが集中してもページ表示が崩れにくいという大きな利点があります。

2. セキュリティに強い構造

動的CMS(WordPressなど)では都度PHPやデータベースにアクセスしますが、MTは公開後のページが静的HTMLなので、攻撃のリスクが低くセキュリティトラブルが起きにくいのが特徴です。

3. 商用利用に向いたライセンス体系とサポート

MTは有償ライセンスですが、商用サポート・契約に基づく安定運用が可能です。保守やサポート体制を重視する企業・自治体にも採用されています。

4. サイトの長期運用に適した設計

ページがHTMLで保存されるため、CMSから離れてもデータの移行や再利用がしやすいです。数年後のシステム変更にも柔軟に対応できます。

■ 注意点(デメリット)

1. 導入費用が発生する

MTは基本的に有償ソフトウェアです。ライセンス費、保守費、場合によっては開発会社によるカスタマイズ費もかかります。
ただしこれは「無料だけどセキュリティは自己責任」のCMSと比べた際、費用対効果として妥当と考える企業も多いです。

2. 更新作業で再構築が必要

記事やテンプレートを変更するたびに「再構築(=HTMLの書き出し)」を行う必要があります。記事が多いと時間がかかることもありますが、これは静的CMSの性質上の特徴です。
例えばWordPressなら「公開」ボタンをクリックすればその瞬間公開されますが、Movable Typeの場合同じように「公開」ボタンをクリックすると、システムがページ生成ほかを行いますので、ボタンクリックから公開まで数秒から長くて数分のタイムラグが発生します。
ここを「待ち時間」=負担と案内する方がいますが、再構築は自動で全てやってくれるので何ら変わりません。

3. サイト作成にはMTタグなどの知識が必要

デザイン変更や機能追加の際には、**独自のテンプレートタグ(MTタグ)**の理解が必要です。制作会社や技術者に依頼することが一般的です。

■ WordPressとの違い

比較項目 Movable Type WordPress
ページ生成方式 静的HTML出力(要再構築) 動的生成(毎回PHPで表示)
表示速度 高速(HTML直読み) キャッシュ次第で高速
セキュリティ 安全性高(PHP未使用) 対策は必要(攻撃対象になりやすい)
ライセンス 有償(商用ライセンス) 無償(GPL)
プラグイン・拡張性 限定的(専用開発中心) 豊富(無料・有料あり)
サイト規模・用途 中〜大規模、商用・業務向け 小規模〜中規模、汎用的

■ 補足:PowerCMSについて
Movable Typeをベースに、クラウド化した製品として「PowerCMS」もあります。
ワークフロー機能、会員制サイト機能、多言語対応などを備えており、さらに大規模サイトに適しています。

■ まとめ
Movable Typeは「無料・簡単」ではない代わりに、堅牢・安定・商用向けという側面で他CMSと一線を画します。
導入コストこそかかるものの、「安心して運用できるCMS」を探している中小企業・法人にとって、WordPressと並ぶ、もしくはそれ以上の選択肢となることもあります。