trivia Webマスター達観-企業のネット集客失敗学-「SNS集客失敗例」 作成日: 2026年3月20日
中小企業のローカルビジネスサイト制作~SEOなどやってます。
そんな中で見た集客行動の失敗を一つ。
東京近郊の比較的人口も多い自治体で複数拠点でのとある葬祭(葬儀や埋葬・お墓)事業集客。
そこでサイト運営・SEOなどもやってる会社さんで見たこと。
ちなみに当方では自動投稿が可能なSNSについては一通り自動投稿するようにしていますが、前提としてそこが導線になるからではなく、単なるバックリンクという体です。故にIFTTT使ってフィードから自動投稿といったこともやっています。
それはシステム組めば、プラットフォームの変更などが無い限り通常の投稿でそれらSNSなどの媒体にも連動投稿できることでバックリンクを維持・加増するためです。
現在はGBPのお知らせ部分への自動投稿もやっていますが、こちらはGBPなので導線としての扱いです。
ある日担当部長から「SNS用のLPを2件作ってほしい」と依頼があった。
概要は東京某区の動画制作会社(以降A社)に動画作成を依頼し、3か月は無料でSNS(X・Instagram・FaceBook・TikTok・Youtube)へ投稿=インフルエンサー的なこともしてくれるのでその着地=LP制作。
公式サイトへ着地させるのではなく敢えてLPととのことで、「無用」「面倒」と思ったが、当方の業務とは分けられるのでそこをプラスに捉え、Analyticsもそれ用にと言われたことから失敗に巻き込まれないためにも有用なのでAnalyticsの設定も行いました。
担当部長からは丸投げで、A社の担当と2~3度直接やり取りしたうえでLPは公式サイトからの端折り版で制作し、AnalyticsはそのA社共有とのことでアカウント制作・設定も行い、ほぼ後は我関せずで渡しました。
SNSで売る?バカ言ってんな!
個人的には一通りのSNSはやってる。目的は主に情報収集で購買目的などでは利用していない。
目的は人それぞれだとしても、住宅業界での同様の経験から、高額商品の検索・検証などでSNSを使う方は少ない。住宅はまだ日常と関わるしデザインなども重要なので一定のSNS利用はある。
基本的にコンテンツ=情報マーケティングありきになるのでリピートある商売向けであることは言うまでもなく、随時のものを検索・検証する、それが高額ならSNS<ネット検索となるのは見えているし、扱うものが凶事ならフォローしたくない・されたくない心理も働くので、「こんな送られ方」を望む・探すという、終活の中でも稀な層をターゲットにするためにリソース=金と労力を使うのは通常の経営概念からすらあり得ない。
YouTubeに葬儀の様子をアップして成功(?)しているという葬儀チェーンがある。動画をみたけれども、人が悲しんでる様子を公に動画で出すということには賛同できないし、許可をしたお客さんに対して驚くだけ。
ただ、葬儀そのものは綺麗な葬儀場・設備・祭壇があり花をたくさん設えたもので、そこに悲しむ人や棺や仏具などが映っていなければ凶事といった趣はないのでそこは一つ販促なのかもしれないとは思えた。
概ね数千回転から数万/数年だから多くはない、中に20万~30万回転くらいのものもあったが、性と死は隠される傾向の強い日本だから見られるということがあるでしょう。
YTからのCVRはおおよそ0.1%、これは全体平均で業種・商品で大きく変わるのは自明、AIで葬祭事業のCVRを算出させたが、数十万分の1か1/1,000,000となった。
ターゲットが市町村や地方など論外、マーケットは全国が前提で成り立たせられるもので、恐らくこの「成功」事例によるセミナー(有償)や多くは無いがYT回転に拠る広告収入などを合わせての成功なのではと勘ぐってしまうものだった。
人によっては一生に一度も購入しない、日常的に関わらないまた、凶事=あまり表にしない商品サービス。
そんなことから、端っから「売れない」「費用対効果出ない」「投資回収は無理」と考えていたので適当に作り、Analyticsはリファラル中心にA社の詐欺まがい営業を監視できるようしっかりデータ取れるようにしました。
何故SNS?
先ずそれに引っかかったCEOからして、SNSはやっていない、FBのみ少しされているが友達片手=アカウントあるだけ。ほかの経営陣も概ね同様でまた、CEOに阿ることが出世の道なれば賛同するしかないのでしょう。
業界通にありがちな世間知らずといったら言い過ぎですが、お客さんは業界外の方が殆ど、特に村社会といいますか業界の常識は世間の非常識といったことは少なくないことを肌で感じられない哀しさから、SNSという媒体の本質と側面に限らず世間から見た業界の姿もよく見えないのでしょう。
予想を上回る酷さ
プロのインフルなどが行うならどうかな、と思っていたが。
半年で287ユーザー、LPへの平均エンゲージ6秒、287ユーザーだが日本からは92で平均エンゲージ1秒という惨憺たる状況。
そもそものLPへの導線がInsta中心、他のSNSなどからInstaのプロフィールに導かれてからのLP、Instaにしてもリールはともかく個々の投稿からプロフィールへの「@プロフィール」すら貼らないというお粗末さで、話にならないキーイベントユーザー数を遠回りさせることで更にふるい落とすのだから当然の帰結といえるでしょう。
Instagram
開始当初は無償期間、Instagram中心に画像加工した動画風動画を時々アップ、有償期間に入ってからはインフルエンサー的な方でもいるかのように投稿されていたが、フォロワーは増えても同業他社などが殆どの900未満、投稿に「いいね」がついてもやはり同業他社からのもので3%程度。
リファラル数は50強。
以前知り合った住宅業界でも、数十万以上のフォロワーありきでCVは年に数件あるかくらい。圧倒的母数が足らないのは想定通りの「SNSでそんなもの検索しない」といったことからでしょう。
FaceBook
Insta投稿の連携でしょうがリファラル数はこれが101で最大だが、多くは国外で話にならない。
X
リファラル数60、まったく話になりません。
YouTube
経営陣は一番期待していたようですが、リファラル数はわずかに5件。
動画の回転は数百から千程度が最大、回転数はともかくエンゲージ内容はこちらでは不明=未報告なのだから「いえるものではない」のでしょうね。
終了後一度話を聞いたが、依頼した役員からは」「一定の効果はあった」と言われたそうだが販売・CVどころか導線とても全く無益。
KPI=重要業績評価指標すら知らない方々は効果測定しない・できない電柱広告などを「認知上昇」といって広く行っているが、単純な回転数のみで「認知」がひろまった、認知戦に勝利ってことなんでしょうね。
効果測定なき広告
このサイトでは「KPI」「重要業績評価指標」についても書いていますが、投資=お金はもちろん人力・労力も同じですがする以上は効果測定は必須です。
媒体・やり方によっては難しいものもありますが、概算でも測定は可能です。
販売等に関連して電話によるアクセスが起点になるものについて「聞き取れない」などと言うかたもいますが、「F井総研」あたりからならNTTで確認や何より「聞き取れ」と言われます。
自社におけるそうした統計情報の価値を見出せない、それらを統合的に容易に算出する基幹システム=ERPなどに価値を見出せない、酷い企業では役員や役職者を以ってそれらを知らないといったケースもあります。
どんぶり経営で残っていられる理由はありますが、それらは決して経営陣・首脳陣に拠るものではないのです。
ERPは導入で数百から1~2千万、クラウド型ならそれに毎月のサブスクも発生しますが、社内業務の工数減や情報による企業指針のが立てやすくなるなどを鑑みれば高い買い物ではありません。
根拠のない広告するなら、先ず重要業績評価指標を出せる体制にすることが大事です。
SNS万能と勘違いする経営は、詰まるところ己すら知らぬという敗者の哲学に片足以上突っ込んだものでしかありません。
はい、「たかがWeb屋が何言ってる」と思うかもしれませんが、数字必須でしかやってこなかった、Analyticsなどの指標で改善を重ねてきた立場から同じ販促を見てきたから言えるのです。