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WordPressかMovable Typeか
最終更新日: 2020年12月8日
企業サイトなどで用いるCMSについて
元々はブログサイト作成のためのものでしたが
近年のコーポレートサイトや商業施設のサイトまたは、既存のブログサービスに依存しないブログを制作する際は、CMS(コンテンツマネージメントシステム)を利用したものが殆どだと思います。
その中でも中小企業様のコーポレートサイトや比較的規模の小さな商業施設のサイト構築に使用・サーバーへインストールするエンジンはWord Press/ワードプレス(以下WP)かMovable Type/ムーバブルタイプ(以下MT)が殆どだと思います。
現在、シェアはWPの方が多いのですが、理由は無料である事、プラグインや拡張テーマ等が多く存在するので一般的なwebの知識があれば構築しやすい事だと思います。
一方、MTは現在商用利用は有償で、プラグインもWPと比べれば少なく、無料のものばかりでもありません。有償プラグインがあるのはWPも同様ですが、プラグインの絶対数がWPの方が多いこともWPが使いやすい理由の一つだと思います。
CMSサイトとしてのシステム
『インハウスで行なうSEO対策』のページで述べた通り、現在のwebサイトは適切な運用を併せなければ宝の持ち腐れにしかなりません。これは、SEO対策等とよく言われることにも通じますが、ホームページの商利用は情報戦だからです。
通常システム構築含めホームページ制作は制作会社や広告代理店へ依頼しますが、その後の更新は制作会社にコンテンツの追加などを依頼せず、ユーザーサイドで行い、記事・情報管理を行う。こうした手法が一般的になりつつあります。
では、そのシステムについてですが、いわゆるERP=基幹業務システム的なものもそうですが、多数の投稿者を擁しwebサイト構築以外の何かまで求めるシステムとしてはWP・MTとも不足でしょう。例えば、Oracleなどを使用・カスタマイズする必要があると思います。これはエンドユーザー向けという面よりも、社内システムなど運用面等でのパフォーマンスが重要視されるからです。
この様な大規模なシステムではなく、一般的なコーポレートサイトなど、少数の管理者と数名の投稿者で運用される場合は、WPかMTでシステム構築を行うことが最適となります。
また、システムとしての汎用性も考慮した方がベターでしょう。
制作会社によっては独自のCMSエンジンを使用してホームページ制作を請け負うところもありますが、その制作会社独自のシステムは他では扱えないものですからリニュアルや改編などの際の価格は言い値、万一のことがあればリニュアルも改編もゼロからのスタートでホームページ制作からとなりかねません。
ですからCMSのエンジンは『WordPress』か『Movabl Type』を使用することを推奨しています。
商用サイトにおけるブログエンジンの利用
先ず、WP/MTいずれでも既存のテーマなどを使わず、もちろん使えるプラグインは利用しますが、フルカスタマイズでベースとなるシステムを構築し、htmlコードと併せて落とし込んでゆきます。
そこには、サーバー上のデータベースにテンプレートや記事といったデータを記録し、必要に応じてデータベースの中からそれらデータを引き出す所作がありますが、このようなCMSエンジンで実際にシステム構築/サイト作成を行うと、WP・MTそれぞれ特徴がみられます。
どちらも元々はブログ作成のためのシステムとして開発が始まったようですが、近年はその特徴が大きく異なってきており、サイトの内容・規模などにより向き・不向きが出来てきました。ご要望・ご希望にそれぞれの特徴を合わせてご考慮いただくために差異概略を纏めてみました。
先ずWP、
- WPは無償。最近では有償サポートなどのサービスもあるが、基本は商用でも無償で改編・再配可能。
- あくまでMTとの比較ですが、ブログ用なので投稿画面がhtmlの知識が無くても投稿しやすい。再構築がないので投稿後の確認もすぐ可能。
- WPはプラグインが豊富で、どんなサイトを造るかによりシステムに付与する機能が豊富で選びやすくカスタマイズがし易い。
- WPコーデックスなどで案内されるコーディングでは、純粋なデータベース上のデータを引き出すだけではなく、htmlコードも併せて吐き出すので、その余計なコードを吐かない様にしないといけないことがある。
テーマをカスタマイズ、またはテーマを使わずオリジナルのテンプレートを作成する場合は、テンプレート以外の部分をカスタマイズしなければいけないが、プラグインで対応できるケースがある一方、phpの記述・書き換え、システムファイルの書き換えを伴うこともあり、システムファイルの書き換えをした場合はエンジンのバージョンアップ都度書き換えが必要となる。
プラグインも同様、ブログ制作に対応したコードの吐き出しを行う事があるので、企業サイト/CMSサイトを制作する場合は余計なコードを吐かない様にしなければならなくなることがある。function.php(システム仕様を決めるファイル)が冗長になったり、制作上けっこう面倒なんです。 - WPは動的生成なのでhtmlファイルとしてのバックアップが取れない。プラグインで静的ファイルの生成と保存が可能だが、現在のところ完全に静的生成してバックアップがとれるものはないようです。
- 動的生成故WordPress本体の自動アップデートやテーマの自動アップデートなどによりサイトがおかしくなる事があります。「おかしく」というと変ですが、アクセスすると画面真っ白、一部ページでレイアウトが崩れたり表示されない部分があったりと症状は様々です。
※当スタジオではこのホームページ含め幾つかのサイトをデバグモードで運用しそうした事象が起こらぬよう制作また監視をしています。場合により自動アップデートを停止させ、セキュリティリスクが高まる可能性はあっても機能・サイトの表示を担保することも可能です。 - WPは動的生成故アクセスした際の表示時間が静的生成のものに対して遅い。多くはせいぜい”一瞬のタメ”があるくらいですけどね、サーバーの能力・アクセス数等に左右されますが、単純比較すれば遅いのは仕方ないです。ただ、サーバーの性能とシステム・投稿数等により開くのが遅い場合はSEO対策上もそうですが、訪問者の離脱に繋がるのでマイナスになります。
一方MTは・・・
- 商用有償で、プラグインもWPほど多くありません。無償使用できるOS(オープンソース)プロジェクトは現在行われておらず、開発速度もWPと比べれば遅いと言わざるを得ません。
近年はブログ用というより、企業サイト向けのCMSエンジンという性格が強くなってきている様に感じます。
なんといっても有償で改編・再配不可といったところがクライアント様の予算と制作サイドの煩わしさとなっています。 - MTはmtmlにより吐き出すものにhtmlタグは含まれません。テンプレートを組む際はそれなりにhtmlとmtmlを組み合わせなければなりませんが、デフォルトで吐き出されるコードがhtmlコーディングにそぐわないといったことがないので望み通りのコーディングがし易い。
- MTは静的生成、ダイナミックパブリシングによる動的生成も可能ですが、静的生成なのでバックアップが取りやすいのはもちろん、システムに万一があってもhtmlファイルはそのまま残るので危機管理上優位、もちろんアクセス時の表示速度は動的生成より早いです。
- MTは投稿時再構築が必要。1500ページを超えるサイトの再構築(投稿公開ではなく全ての再構築)で10分近くかかったケースもありますが、再構築スタート後は別に操作を要しませんので言われる煩わしさは感じません。個別投稿のプレビュー機能はあるものの投稿後の確認は再構築を待たねばなりませんが、WPとの差別化といった部分では「重箱の隅をつつく」程度のもの。 再構築の煩わしさ=管理者の手間で、動的生成による表示の遅さ=ユーザの待ち時間。それを考慮すれば差別化のネタにはなり得ません。
ページ数等規模とまた想定するユーザー数により、どちらを用いるかの提案・制作をいたします
それぞれの特徴から、ブログやページ数の少ない企業・団体様のホームページにはブログ用に作られた比較的扱いやすいシステムが無償提供されていてるWP、ある程度のページ数(数百~千ページ超)と多くのユーザー数を想定される企業・団体様向けサイトにはMTが向いていると考えます。
また、複数のサイトを連携させながら、例えば投稿データの共用などを行ない運用する際は、MTの方が比較的管理(この場合の管理は制作会社でのシステム改修も含みます)が簡便でスムーズなので、ホームページの規模が大きくなる想定のある際もMTをお奨めいたします。
特に広報・販促等、CMSサイト管理者が在籍する法人・団体様の場合は静的生成で実体のあるMTの方がお奨めです。実際に企業内で広報・販促担当(htmlの知識/スキルがある前提)として運用・管理をしていると、実体(実際のページ)がある方が何かとやりやすいのです。
10年前のMT>WPからシェアが逆転しましたが当スタジオはどちらでも対応可能です
例えば10年前はMTの方がシェアは大きかったのですが、当事作られたサイトをリニュアルする際はWPに移行しますか、それとも最新のMT(当事のものをそのまま使えなくはないですが、セキュリティ上の不安はあります)に変えてリニュアルしますか。
当スタジオはどちらも取り扱っておりますのでお気軽にご相談ください。